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    澁澤先生コラム

    「中学生とエネルギー・環境教育」

    エネルギー・環境教育が抱える、中学生という時期ならではの留意点と課題。限られた時間の中でエネルギー・環境教育を充実させるための工夫と、副教材の活用方法。中学校・高等学校教育のエキスパートであり、エネルギー・環境教育の推進にも貢献されてきた澁澤文隆先生に、3回にわたりお話を聞きます。

    澁澤 文隆 先生

    フェリス女学院中学・高等学校教諭、東京教育大学(筑波大学)附属中学校・高等学校教諭、文部省初等中等教育局中学校課、高等学校課教科調査官、信州大学教育学部教授、同附属中学校校長(併任)を経て、帝京大学教職大学院教授、日本エネルギー環境教育学会前会長。著書に「今、始めないと!エネルギー・環境教育」(東京書籍)など多数。

    第3回 教材の役割と重要性 〜理解を深め、思考を促す〜

    第3回は、エネルギー・環境教育にとっての副教材の役割や可能性について聞きました。

    「見えなかったものが見えてくる」「理解が深まり、思考が促される」副教材を活用して、効果的な学習を。

    教科書以外の副教材の活用法についてお聞かせください。

    エネルギーは目に見えず、生徒にとってその存在を身近に感じるものでもないため、映像などを使った副教材を活用して生徒が主体的に学び、自分ごととして考えられるような学習にしていくことが大切です。

    発電所などの見学もタービンの大きさなどを実感させる機会として貴重ですが、肝心な発電の仕組みの部分、たとえばタービン内部の様子が見られるわけではありません。さらに、今はコロナ禍ということもあり、現地・現場を訪ねる学習は難しい状況です。しかし、映像教材であれば、肉眼では見られないようなところまで接近できたり、内部の様子をCGにより再現できたりします。理解を深め、思考を促し発見を生むような教材があれば、現地を見学する以上に効果的な学習が可能です。

    先生が監修された中学校向けの映像教材「SDGs×電気」は、エネルギーをSDGsの視点から捉える新しい内容となっています。概要を紹介いただけますか。

    「SDGs×電気」は、中学校社会科での活用を想定した、2部構成で所要時間約45分の映像(DVD)教材です。電気で動くAIロボットが先生役となり、生徒との対話形式で進行していきます。「SDGsとは何か」、「SDGsと電気の関係」、「SDGsの目標からみた日本の発電」などをテーマに、実写、CG、グラフやイラストを使ってわかりやすく、中学生がエネルギー問題を電気と関連づけて身近な問題として捉え、考える内容となっています。

    本教材の開発にあたっては、電気を「使う側」「作る側」の両面から追究する営みを通して、次の3つの点に留意して内容構成を工夫しました。

    電気は生活や産業にとって必要不可欠でクリーンなエネルギーであること。
    電気を通してSDGsの17の目標の相互関連性への理解を深めるとともに、SDGsを自分たちの生活や活動と関連づけて捉えさせること。
    私たち現代世代は、次世代にバトンタッチするに値する世界・社会を「誰一人取り残さない」かたちで2030年までに築くために、SDGs実現に向けた活動に主体的、協働的に参加することが求められていること。

    さらに、電気とSDGsの特質を踏まえ、具体的に、段階を追ってわかりやすくアプローチすることを心がけました。

    本教材を活用するにあたっては、学習指導の目標・方針に基づいて重点化を図る、総合的な学習に位置づけて時間を生み出す工夫をするなどして、生徒の主体的、協働的な学習を促す導入教材などとして活用していただければと期待しています。

    今後はどのような教材が望まれると思われますか?

    短い尺の映像がいくつか集まった教材はとても使いやすく、長尺でストーリー性のある映像とは違う役割を担うことができると思います。内容を絞った短編がセットになっていると、学習内容や時間によって単体あるいは複数を組み合わせて柔軟な使い方が可能となるからです。
    電気を例にとると、発電所内の重要な部分が一つずつわかりやすく映像化されたもの、発電方法による特性や違いを比較するもの、供給電力量を数値ではなく具体的なイメージで理解するものなど…。映像によって子どもたちの関心を喚起し思考を促す役割を果たす教材、教室にいながら現地訪問しているような疑似体験ができる教材が開発されると、エネルギー・環境教育の機会をさらに広げられると思います。