授業レポート
教材を活用した授業実践事例
エネルギー×食料の安定供給~野菜工場編~ モデル授業
- 実施校
- 東京都中央区立佃島小学校
- 実施日時
- 2022年10月26日 5校時
- 授業者
- 主幹教諭 水野 良太
- 教科・科目
- 社会科
- 実施学年
- 5年2組
実施内容
1
単元名(活動名)
これからの食料生産 野菜の新しい栽培方法
2
本時の目標
LED照明や液肥を利用した野菜(レタス)の新しい栽培方法は、我が国がかかえている食料問題の解決につながっていることを映像教材の活用をとおして理解できるようにする。
授業概要
課題をつかむ
学習活動
■本時の導入場面ではこれまでの稲作の学習を振り返る
- 稲作農家では、お米をどのように作っているのか?
- 稲作農家ではどのような課題をかかえていたのか?
■農業の人たちは、このような課題をどのようにして解決していくのだろうか?
【今日の課題】
「野菜工場」では、レタスをどのように育てて出荷しているのでしょうか
指導上のポイント
- 通常の農作業は気候や災害に左右されることや、稲作農家がかかえている課題を確認させる
- 映像の冒頭部分(1:00~1:21※音無し)を視聴させる。
- ワークシートを配布


調べる
学習活動
- レタスの栽培から出荷までの映像を視聴させる
- 視聴を終えての整理
ワークシート2(1)~(3)を記入させる
指導上のポイント
- 4:45まで映像を視聴させる
- 視聴した部分の動画を児童のPCに共有し、児童は映像を再度見ながらワークシートを埋めていく。


- 3. ワークシートの整理
稲作との育て方の違いに目を向けさせながら、「野菜工場」の特色を確認する
- レタスはどのような方法で栽培されているか
- 苗を育てる育苗室はどんな様子だったか
- 収穫方法はどのようにしていたか
- 工場でレタスを栽培する良さはどのような事があるのかを予想させる
指導上のポイント
- 4:46~9:24まで映像を視聴させ、工場でレタスを栽培するメリットについて確認する


まとめ
■「野菜工場」の取り組みとSDGsの目標とどのような関わりがあるのかを理由と合わせて予想してみる
■今日の課題について、わかったことをまとめる
指導上のポイント
- 9:25~の映像を視聴させ、関わりのあるSDGsの目標を確認する


授業で使用した資料
「野菜の新しい栽培方法」
ダウンロード
ワークシート
ダウンロード
File002:エネルギー×食料の安定供給
~野菜工場~
授業を実施して
授業中の児童の様子
- 導入の「野菜工場」についての映像を見た児童は、これまでの経験にはない「レタスの育て方」にとても関心をもっていました。
- タブレット端末に動画を送り、個別に「野菜工場」の栽培方法・収穫の仕方などを調べました。児童は、既習である稲作の様子と比較することで、「野菜工場」の特色をつかむことができました。
- 「野菜工場」の良さを考える場面では、少ない人数で栽培できることの良さに気付き、「農業に関わる人々が減っているという我が国の課題を解決できる」と発表した児童がいました。
- 「SDGs」の関わりについては、多くの児童から発表があり、目標とどのように関連しているか考えることができました。
- 以下の児童の反応にもあるように、「食料自給率を高める取り組み」「世界の未来が明るくなる取り組み」など自分なりに考え、学習をまとめることができました。
「THE POWER OF ELECTRICITY ~電気の力で、未来をつなぐ~」教材の活用について
- 本時は、学習指導要領 第5学年の内容(2)「我が国の農業や水産業における食料生産」の「これからの農業などの発展について、自分の考えをまとめること」を踏まえた学習です。「食料生産」の視点から「電気」というエネルギーを取り上げることについて、私自身も勉強になりました。
- 将来を生きる児童には、1.電気・ガスなどのエネルギーは、私たちの生活や産業活動に不可欠であること、2.電気・ガスなどのエネルギーを活用する方法や確保する方法を考え、工夫している人々がいることを学んでほしい。社会科で、この内容を意図的に扱うことは、大変有意義だと感じました。
- 指導案「野菜の新しい栽培方法」については、発問や指示が明確に示されているので、初任者の先生も指導することができる内容になっています。
- 映像教材「エネルギー×食料の安定供給~野菜工場~」は視覚的に捉えることができ、分かりやすかったです。児童に考えてほしいことは、途中で映像を止め、発問しました。
- SDGsとの関連については、軽重を付けて指導することも可能です。「総合的な学習の時間」と関連させ、学習することもできますし、本時のまとめとして、映像を通して指導者からSDGsの意義について伝えることもできると思います。
今日の課題について分かったこと(児童の反応)